清武英利著書『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層(講談社)』を読みました。
本書はシンガポールと日本を舞台に、プライベートバンカーや富裕層が躍動するストーリーです。
フィクションかと思いきや実名ありのノンフィクション。
日本からシンガポールへ移住した富裕層の裏事情、金融業界のタブー、成功者の真実など、あますとこなく暴露している痛快な話でした。
よくもまあここまで内実を書けたことにリスペクトです。
本書は富裕層の「臨場感」を強烈に味わうことができます。
超がつく富裕層がどのようにお金を守っているのか?
このリアリティはなかなかイメージしづらいですよね。
だからこそ、本書のような小説や映画の存在は重宝します。
特に大変興味深かったのは、「税金を逃れてきた日本人で幸せになったという話は、あまり聞かないことだ。(P136より引用)」の箇所です。
自由を得るためにお金を手にしたのに、結局、お金に翻弄されてしまうのはなんとも皮肉な話ですね。
追伸:その後、2018年に文庫版が登場した。こちらの方が安いし、対談も載っているのでお得。
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