いやあ、面白かった!勉強になった!
『スマホ脳(アンデシュ・ハンセン著、新潮新書)』
われわれがいかに「スマホ」にやられてるかが、これでもか!というぐらいわかっちゃう本。
ものすごく、簡潔に要約すると、
スマホのせいで不幸になってるよ→スマホいじる時間減らしましょうよ→運動がいいですよ
という流れである。
確かに、スマホの台頭で人類が不幸になった感がある。が、それって相関関係であって、因果関係ではないよね?というツッコミもしたくなる。
でも、やはり、自分自身の人生を振り返ると、スマホってのは悪影響結構あるなあという実感もある。
具体的には、近年、Facebookの「投稿」はするのも観るのも減っている。Facebookで使ってるのはメッセンジャーや非公開グループでの仲間内コミュニケーションぐらい。
代わりに、備忘録的に「Instagram」を使っている。
Instagramのいいところは「写真」をシェアすることがメインなところ。これだと「誘導」や「介入」がされにくいメリットがある。
写真は観えるけど、文章って読まなくてもいい。
それと、観ていて不快な写真などはあまり出てこない。そういうのはポリシーかなんかでできるだけシャットアウトしているのだろう。
ところが、Facebookは「文字」や「言葉」が基本。文字や言葉って恐ろしいもので、「介入」を拒否しにくいというデメリットがある。まあ、これをマーケティング的に悪用してる企業もいるわけだ。それがいいか悪いかは別として。
「言葉」って脳内で繰り返し再生しちゃうんだよね。これが恐ろしいこと。
内容も「言葉」であれば、様々な表現ができてしまう。妬み、愚痴、悪口、噂話などなど。これが写真なら表現はしづらい。が、文字だと表現ができてしまう。
それと、Facebookはグロ系投稿、フェイクニュースなどの検閲が、良くも悪くもあまりされていない感がある。
なので、知らず知らずのうちに、思考が犯されちゃうこともある。「言葉」や「文字」によってね。
スマホというよりSNSの危険性に話が及んでしまったが、本質は同じ。スマホの危険性に一石を投じたという意味で、本書はたいへん貴重。読むだけで、「スマホ時間減らそう」と自然に思えるセラピー効果もある。
あと、ついでに観ておくといいのが、Netflixドラマ『ブラックミラー』シーズン5の2話「待つ男」。
ブラックミラーは近未来SFドラマ。各回1話完結もの。
で、この回は、SNS企業がいかにわたしたちの生活に影響を及ぼしているか?がアリアリと描かれた傑作。
観ればきっとSNSやスマホとの付き合い方を考えさせられるだろう。
さらにもういっちょ。
映画『スマホを落としただけなのに』
「スマホ」の存在感に否が応でも気づく映画。もっと狂気感を出してもよかったと個人的には思うが、総じておもしろい作品。
過度の最適化は、効率的な反面、生存確率を逆に下げることからも、スマホ一極依存はやはり避けたいねえ。
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